第4文型とは、〈主語+動詞+目的語1+目的語2〉と目的語が2つ来るものです。よく〈S+V+O+O〉と表記します。
He gave me a present.
S V O O
彼は私にプレゼントをくれた。
第4文型の特徴
- 目的語1には必ず〈人〉を表す単語が来る
- 第4文型は第3文型に書き換えできる
- 目的語2には〈もの〉が来ることが多い
- 目的語1を間接目的語と呼ぶ
- 目的語2を直接目的語と呼ぶ
このなかで1, 2は重要なので必ず頭に入れておきましょう! 4, 5は文法用語なので知識として入れておくと参考書などを読むときに理解しやすいかと思います。
なお、目的語については目的語は対象語と訳すのが正解! 第3文型のポイント - 語学編集者による英語ブログにて詳しく解説しています。
第4文型と第3文型の書き換え
では、2の「第4文型は第3文型に書き換えできる」について詳しく見ていきましょう。
He gave me a present.(第4文型)
↓
He gave a present to me.(第3文型)
このように、第4文型を第3文型にするには、直接目的語を動詞の直後に持って来ます。そして、その後に〈前置詞+人〉を続けます。このときの前置詞がやっかいでして、動詞によってtoになったりforになったり変わるのです。
第3文型にしたときに〈to+人〉が来る動詞の例
give(与える)
offer(申し出る)
teach(教える)
send(送る)
write(書く)
tell(伝える)
throw(投げる)
show(見せる)
hand(手渡す)
ここで前置詞toの意味に迫りましょう。toは「〜へ」「〜に」などと訳しますが、toの根底には「着点、着地」のイメージが流れています。つまり、toは単に方向だけではなく、その方向に進んで「着く」ことまでを表すのです。
I handed a book to her.
=I handed her a book.
私は彼女に本を手渡した。
この文だと、私が本を持って、彼女の方向に本を持って行って手渡したという意味。本が彼女の手に「着地」しているのでtoのイメージと調和します。
I sent an email to her.
私は彼女にメールを送った。
この例はパソコンなどでメールを送ったことを表しています。私が直接彼女のところに行ったわけではないですが、送信ボタンを押した後、彼女のメールボックスにメールが「着地」したと解釈できます。
第3文型にしたときに〈for+人〉が来る動詞の例
buy(買ってあげる)
get(手に入れてあげる)
cook(料理してあげる)
make(作ってあげる)
call(呼んであげる)
toとは違い、forには特に「着地」の意味はありません。forには「〜のために」という意味があり、相手にとって「利益」や「恩恵」を生じる文脈で使われることが多いです。
I made some salad for him.
= I made him some salad.
私は彼のためにサラダを作った。
I got a present for him.
私は彼にプレゼントを買った。
getはbuyと同じ意味でよく使います。プレゼントの購入は彼にとっての利益や恩恵を生じる分かりやすい例でしょう。ポイントは、この文は私がプレゼントを買った事実のみを表していて、プレゼントがまだ彼の手に「着地」していない点です。
2つ目の目的語が長い文に注意!
I asked him how to use a smartphone.
S V O O
私は彼女にスマートフォンの使い方を聞いた。
これは2つ目の目的語が〈疑問詞+to不定詞〉で長いパターンです。長くても「(人)に〜を」という基本に従えばOKです。
She told me that she'd be home early.
S V O O
彼女は早く帰ると私に言った。
これはさらに2つ目の目的語が長い例。that節なのでthatのあとは〈主語+動詞〉になっていますね。
SVOOの第4文型は構成要素が多いので、他の文型よりも長くなりがち。長い文を前にしても慌てずに、どれがSか、どれがOかなど丁寧に見ていけばマスターできるはずです!