speak, talk, say, tellはどれも中学レベルの英語なのに、いざ使い分けるとなると中•上級者でも間違えることがあります。
まず、この4単語を2つのグループに分けることから始めましょう。自動詞•他動詞のどちらで使うことが多いかで分類します。
自動詞と他動詞の意味はこちら。
- 自動詞=動詞のあとに目的語が来ない。〈動詞+前置詞〉になることが多い
- 他動詞=動詞のあとに目的語が必要
自動詞のグループ
4単語のうち主に自動詞として使われるのはspeakとtalkです。2つのニュアンスがどう違うか、まずは下の図を見てイメージをつかみましょう。
speakの中心的なイメージ→言葉を発する
speakが表すのは、言語活動の「聞く」や「書く」に対応する「話す」です。英語試験のスピーキング(Speaking)をTalk, Say, Tellとは言わないですよね。
①〈speak about+人〉で「〜について話す」
My teacher spoke about how to study for the test.
先生はテストに向けてどう勉強するべきか話した。
② 言語を話す
He speaks both English and Japanese.
彼は英語と日本語の両方を話す。
特定の言語を話すと言いたいときは、sayやtalk, sayを使わず、必ず〈speak+言語〉です。
Do you speak English?
英語を話しますか?
これは相手がコミュニケーションの手段として英語を話すか聞くときに重宝するフレーズ。これをCan you speak English?と言うと「英語を話すことができますか?」 と能力があるか問う意味になるので注意。上から目線になります。
なお、この場合は自動詞ではなく他動詞として使います。speak with Englishなどと言わずに、そのまま目的語のEnglishを置きます。ただし、下のように「英語というツールを使って話す」という場合はspeak in Englishと言うこともあるので注意しましょう。
Mariko couldn’t understand us because we were speaking in English.
私たちが英語で話したのでマリコは私たちが言っていることを理解できなかった。
③〈speak with+人〉で「人と話す」、〈speak to+人〉で「人に話す」
I'd like to speak to you.
お話があります。
これはオフィスで部下が上司に話しかけるようなケースを想像してください。なお、冒頭のspeakの図では聞き手を複数にしていますが、話をする相手が1人でも使えます。この文をI'd like to talk to you.としてもOK。少しカジュアルな響きになります。
④ 大勢の前で話す、演説•スピーチする
I spoke to students about the Internet business.
私は生徒たちにインターネットビジネスについて話をした。
スピーチや発表など、あらたまった内容を大勢に向かって話すときにspeakをよく使います。「堅めの内容を大勢に向けて」というのがspeakの特徴の1つなので是非覚えておいてください。このイメージを表したのが冒頭の図です。図を見ると矢印が一方通行で、聞き手が複数いますね。
talkの中心的イメージ→(相手に向かって)話をする
speakが「話し手→聞き手」の一方通行のイメージなのに対して、talkは双方向のイメージが強くなります(一方向の場合もある)。さらに詳しく言うと、talkはspeakよりカジュアルで「お喋り」のニュアンスが出てきます。
さて、ここまでspeakとtalkを説明してきて、こう思った方がいるかも。
じゃあ、TED talksはTED speechじゃないの?
確かにspeechのほうが適切なのかもしれませんが、あえてtalkにしているのでしょう。
①〈talk with+人〉で「人と話す、話し合う、お喋りする」
〈talk to+人〉で「人に話す」
I talked with my friends over a cup of coffee.
私はコーヒーを飲みながら友達とお喋りした。
冒頭の図はtalkは一対一で表していますが、このように複数人で話す場合にも使えます。
なお、talkに近い語でtalkよりもっとフランクな語にchatがあるので一緒に覚えておくのがオススメです。chatになると双方向のニュアンスがtalkよりも強くなります。〈chat with 人〉の形でよく使います。
②〈talk about+事柄〉で「(事柄について)話す」
We talked about the project.
私たちはプロジェクトについて話し合った。
他動詞のグループ
主に他動詞として使うのはsayとtellです。この2つを使いこなすには、文法的な違いを把握できるかどうかが鍵になります。
特にsay youとは言えないのに対して、tellのあとは大半の場合「人」が続く点を必ず押さえてください! ここを間違える日本人がとっても多い!と校閲のブルックさんからも指摘がありました。
sayの中心的なイメージ→ある内容を言葉として発する
①〈say+言葉•意見•内容〉で「〜を言う」
Say goodbye to your friends.友達にさようならを言って。
He said something to me.
彼は私に何か言った。
「誰に」言うのかまで言及したいときは、〈say 人〉ではなく〈say+内容+to 人〉で表します。
②〈say+that ...〉で「〜ということを言う」
He said that something was wrong with this laptop.彼はこのラップトップの調子がおかしいと言った。
She said that it was cold today.
彼女は今日は寒いと言った。
このthatは接続詞で「〜ということ」を表します。接続詞なのでthatのあとは〈主語+動詞...〉が続きます。
tellの中心的なイメージ→ある内容を相手に伝える
4つの動詞のうちtellだけが二重目的語をとれます。二重目的語というのは〈S+V+O++O〉の第4文型のかたちです。最初のOは必ず人が来ます。
①〈tell+人+目的語〉で「人に〜を伝える」
※人が省略できることもある
He told me an interesting story.
S V O O
彼は私に興味深い話をした。
Tell me the truth. / Tell the truth.
本当のことを話して。
ここで、Tell the truth.という、tellのあとに人が続かない例が出てきました。他にもtell a lie(ウソをつく)なども同じ例です。
②〈tell+人+that ...〉で「人に〜ということを伝える」
※人が必ず必要
He told me that he wanted to come to the party.
彼は私にパーティに行きたいと行った。
③〈tell+人+to+動詞の原形 ...〉で「人に〜するように言う」
※人が必ず必要
The doctor told me to get a lot of sleep.
医者は私に睡眠をよくとるように言った。
I told my daughter to clean her room.
私は娘に自分の部屋を片付けるように言った。
〈tell+人+to+動詞の原形〉は、人にアドバイスしたり指示したりするときに頻繁に使います。大事な構文なので是非使いこなせるように!
以上、①②③の大半で〈tell+人〉になっている点も押さえておきましょう。
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ライティング: つばめパブリッシング
イラスト:田島ミノリ
英文校閲&解説協力:Brooke Lathram-Abe